ヘッジファンドの税金について詳しく解説

2020年01月29日

ヘッジファンドに投資することには興味があっても、同税金が課さられるのかわからないと投資ができないと思います。実は投資においてこの税金問題はとても重要になってきますが、特にヘッジファンドの税金問題はとても複雑になっています。

今回紹介する内容に目を通せばヘッジファンド関係の原則的な税金制度、例外ケースがわかります。また具体的な税金の申告方法についても触れておりますのでヘッジファンド周りの税金に関して税理士事務所のスタッフ並みに詳しくなれると思います。

基本的には源泉分離課税

まず最初に紹介するのはヘッジファンド関連の原則的な税金制度です。

国内のヘッジファンド商品の基本的な税金制度は源泉分離課税となっているので税率は20.315%となります。

この源泉分離課税を採用しているヘッジファンドに1000万円を投資して500万円の利益が発生した場合の税率はこのようになっています。

500万円×0.20315で計算される101万5750円になります。

この20.315%という税率は不変ですので、発生した利益が1,000万円であろうと1億円であろうと発生した利益の20.315%が税金になってしまうのです。源泉分離課税は申告分離税なので自動で利益から税金が引かれるので確定申告が不要です。

イレギュラーの場合

原則的なヘッジファンドの税金制度に見てきたので次に特殊なケースについて見ていこうと思います。一般的にはヘッジファンドは源泉分離課税を採用していますが、海外のヘッジファンドや国内の一部のファンドは源泉分離課税を採用していません。

そういった源泉分離課税を採用していないヘッジファンドで発生した利益は総合課税になります。

海外ヘッジファンドや国内ファンドの一部は「総合課税」

このケースの場合、申告分離課税と違ってヘッジファンド以外の利益と合算した金額が税金額の計算の対象になってしまいます。要するに総所得が税金額の計算の対象になるのです。

ちなみに総合課税の税率は申告分離税と違って総所得額に大きく変動することになります。総所得額に応じてどのように総合課税の税率が変わるのかを理解するために総合課税における総所得額ごとの課税レートをまとめてみました。

総所得額税率
0円~195万円5%
195万円~330万円10%
330万円~695万円20%
695万円~900万円23%
900万円~1,800万円33%
1,800万円~4,000万円40%
4,000万円超え45%

この税率は、ヘッジファンド経由の利益を含めたその年度の総所得が決まり次第自分自身での申告が必要になってきます。この確定申告を通して税金を申告する手順が2パターンあります。

総合課税に該当するケース

翌年度の住民税や所得税は個人の総所得に応じて変わってきます。

利益が発生し、配当所得が総合所得に分類された場合は発生した利益額を税務署に申告する必要があります。この確定申告を通してヘッジファンドで発生した利益を申告する手順は以下の通りです。

利益申告の手順

・医療費控除をはじめとした減額金額を記載

・税務署で確定申告用紙を手に入れる

・申告用紙に総合課税の対象になる金額を記入

ここで漏れがでてしまうと「脱税」という結果になってしまうので、該当所得をきちんと漏れなく記載することが求められてきます。税金の申告漏れを防ぐためにも「総合課税の対象になる申告科目」を一覧にしてみました。

 総合課税の対象になる申告科目
・利子所得
・配当所得
・給与所得
・不動産所得
・一時所得
・譲渡所得
・雑所得
・事業所得
上の対象になるケースを覚えておくと今後何事にも役立つので、覚えておきましょう!
 

②損失が発生したケース

ヘッジファンド利用時に税金の申告が求められる2つ目のケースは、ヘッジファンドに預けた資金が減ったタイミングで決済をしたときです。

この減益に関しては税金の対象所得の減額につながるので申告する必要が出てきます。

この減額の申告は総合課税だけでなく、申告分離税も該当になります。それぞれのケースにおけるヘッジファンドで発生した減額の申告方法について確認していきます。

③申告分離税が該当するケース

申告分離税が適応されるヘッジファンドを利用して減益が発生した場合は確定申告書の該当項目に下記の記載を行います。

申告の手順 
・申告書類を手に入れる
・一年間の全所得を書類に記載する
・マイナス項目も記載する
・第三面に損益計算の対象になる金額を書く
この中で大事になってくるのが「マイナス項目も記載する」ということです。申告分離税の場合は確定申告書の3面の該当項目にマイナス金額を書くようにしましょう。
 

これを行えば税金の対象になる課税所得からの減額にはならないが、ヘッジファンド以外の投資関係で発生した利益との埋め合わせができます。このヘッジファンド以外の投資科目との相殺は基本的には申告した年度から3年間該当するので将来のためにも行っていきたいところです。

最後に

ここでは、ヘッジファンドでかかる税金について紹介していきました。国内を拠点としているヘッジファンドの7割は原則ケースである申告分離税を採用しています。しかし、例外ケースに該当するヘッジファンドは少なくない以上、投資前には採用している税金額の課税方法を確認することをおすすめします。

 

 

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